A 年金事務所の調査は、厚生年金法100条に根拠に行われます。
【厚生年金法】
第百条 厚生労働大臣は、被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する決定に関し、必要があると認めるときは、事業主に対して、文書その他の物件を提出すべきことを命じ、又は当該職員をして事業所に立ち入つて関係者に質問し、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 第九十六条第二項の規定は、前項の規定による質問及び検査について準用する。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
調査目的は、事業所が社会保険の手続きを正しく行っているか確認し、間違っていれば改めるように「指導」し、社会保険に加入すべき従業員を加入させ、 行うべき手続きを行わせ、払うべき社会保険料を払わせる ことにあります。
最近は 3 、 4 年に 1 回ほどの 「算定基礎届提出時調査」 が年金事務所の定時調査のようになっています。
また、それ以外でも退職した従業員が社会保険への未加入を年金事務所に申告し、そこから会社に調査が入るケースもあります。
年金事務所の調査内容は主に以下のような事項です。
・社員を入社時から社会保険に加入させているか
・パート、アルバイトを社会保険に加入させているか
・外国人を社会保険に加入させているか
・非常勤役員の取り扱いは適切か
・2ヶ所以上に勤務する役員の保険料の計算は適切か
・算定基礎届および月額変更届は正しく行われているか
・社会保険料の源泉徴収は適切か
どうかなどです。
A 一般的に、提出や検査させられている書面は、以下のような書面です。
①労働者名簿・雇用契約書
②源泉所得税領収書
③賃金台帳
④タイムカードや出勤簿
⑤就業規則等
・社会保険料を過去2年分まで精算しなければならない
・役員の他社兼任が発覚し、兼任先の報酬額も合わせて社会保険料を計算しなければならない
・外国人スタッフ向けに社会保険加入をしなければならない
・パート、アルバイトの年収を130万を超えないように管理させられる
・試用期間時の社員を社会保険に加入させていなかったことが発覚して支払いをさせられる
・社長の給与から過去の保険料の不足額を天引きしなければならない
などが考えられます。